KMS(Key Management Service、キー管理サービス)は、Microsoft が組織向けに用意したボリューム ライセンス認証の方式です。解決する問題は具体的です。数百台から数千台の機器がある組織では、一台ずつプロダクト キーを入力できません。また、すべての機器が Microsoft のサーバーへ直接接続することも望みません。
どのように動くか
- 組織は社内ネットワークに KMS ホストを置き、組織のボリューム ライセンスでそのホストをライセンス認証します。
- クライアントの機器は、Microsoft ではなく、そのホストへライセンス認証を要求するように構成されます。
- ホストが要求を妥当だと確認すると、クライアントへ 180 日間有効なライセンス認証を発行します。
- 期限の前に、クライアントは定期的かつ自動で更新します。ホストへ到達できる限り、ライセンス認証の状態は続きます。
ここで最も重要なのは、ライセンス認証が一度きりの出来事ではなく、更新を続ける過程だということです。そのため、先月までは使えたのに、今月突然ライセンス認証されていない、ということは、ボリューム ライセンスの環境ではよく起きます。通常は、更新に失敗したことを意味します。
180 日とライセンス認証のしきい値
クライアントが受け取るライセンス認証の有効期間は 180 日です。システムはその間、自動で更新を試みます。機器が定期的に社内ネットワークへ戻るなら、利用者はこの過程にほとんど気付きません。
見落としやすいもう一つの仕組みが、しきい値です。KMS ホストは、十分な数のライセンス認証要求を受け取ってから、クライアントへライセンス認証を発行し始めます。Windows クライアントの下限は通常 25 台です。置き始めたばかりのホストが一時的に応答しないのは、そのように設計された動作であり、故障ではありません。
GVLK は公開されているが、それが意味することではない
KMS クライアントが使う汎用キー(GVLK)は、Microsoft が公開しています。役割は、システムに、これは KMS を使うクライアントだと伝えることだけです。それ自体はライセンスではなく、ライセンスを持っている証明にもなりません。正規かどうかは、組織が対応するボリューム ライセンスを保有しているかで決まります。
だからこそ、出所の分からないホストへクライアントを向けても、画面がライセンス認証済みとなっても、正規のライセンスを得たことにはなりません。
DNS とネットワーク:最も多い失敗箇所
クライアントがホストを見つけるには、通常、DNS の SRV レコードに依存するか、ホスト名が直接構成されています。機器が社内ネットワークを離れると、どちらの経路も切れます。DNS 名が存在しない、または KMS に連絡できない、といったエラーになります。
| 現象 | より可能性が高い原因 | 対応できる人 |
|---|---|---|
| KMS コンピューター名が空 | クライアントにホストが構成されていない | IT が構成を配布する |
| DNS 名が存在しない | 社内ネットワークにいない、またはレコードがない | まず社内ネットワークへ接続し、その後 IT が DNS を確認する |
| カウント不足 | ライセンス認証のしきい値に達していない | IT がライセンスの方式を検討する |
| KMS がライセンス認証されていない | ホスト自身のライセンス認証が終わっていない | IT がホスト側で対応する |
個人の機器が KMS を使うべきではない理由
KMS の前提は、組織がボリューム ライセンスを保有していることです。個人のパソコンには、その前提がありません。技術的に構成できても、正規の利用にはなりません。個人は、リテール版、デジタル ライセンス、またはサブスクリプションを使ってください。
この記事は、Microsoft Learn のボリューム ライセンス認証の計画文書、KMS クライアント キーの文書、およびボリューム ライセンス認証クライアントの説明に基づいて整理しています。しきい値と周期は、製品の仕組みです。具体的な数値は、公式文書の最新版を基準にしてください。
いくつかの質問で、どの状況に当たるかを確認してから、次に何をするかを決めます。